在庫管理を行う小売や流通業で使われている アイテムやSKU(エスケーユー)という言葉について、その考え方を解説するとともに、ECサイトの「商品検索」におけるアイテムとSKUの使い方の違いやそれぞれのメリット、活用方法について事例と合わせてご紹介します。
1つの大きな商品単位や項目を示します。アパレルの例を挙げると、Tシャツやプリーツスカート、カーディガンなどの商品の種類がアイテムです。
「Stock Keeping Unit」の略で、在庫管理を行う際の「最小識別単位」を示します。例えば、アパレルのアイテム(1つの商品)に対して、そのカラーやサイズなどで細かく分類して「これ以上同じ区分に分けることができない最小の単位」がSKUです。
図のような場合、1アイテム×3カラー(青、灰、白)×3サイズ(S/M/L)=9 SKUとなります。
その他の例:ご紹介したアパレルの例の他にも、様々なSKUがあります。
このように、SKUを使って細かく管理することで、商品のSKU別の売れ筋や在庫を把握して仕入れや商品配置を最適化することができます。このような管理方法をSKU管理(単品管理)といいます。
ECサイト内の商品検索におけるアイテムとSKUの違いを見ていきます。ここでは、ECサイトで商品検索を行った際に、検索結果を「アイテム単位」で表示、あるいは、「SKU単位」で表示した場合のメリットとデメリットをご紹介します。
ECサイトでよく採用されているのがアイテム単位で検索結果を表示させる方法です。多くの場合、検索結果ページにはアイテムの特定の画像がメインイメージとして表示されています。このアイテムのページを経由して、他の色やサイズなどのSKU別の商品を購入することができます。
アイテム数がそれほど多くない場合や、商品のバリエーションを露出させたい商材を取り扱うECサイトでは、SKU単位で検索結果を出す場合があります。検索結果から商品のSKUに直接遷移して購入することができます。
アイテム単位 | SKU単位 | |
---|---|---|
メリット | アイテムの種類を一覧で見せられる | 全バリエーションを見てもらえる |
デメリット | 検索結果の該当件数が少なくなる | 類似の商品画像が並び比較しづらい |
ここでは簡単にメリットとデメリットについてお伝えしましたが、検索結果の表示方法を工夫することで、アイテム単位、SKU単位それぞれのメリットを生かしたより使いやすい商品検索を実装することができます。次の章では、ユニークな検索結果表示でお客様に高い検索の利便性を提供している企業様の事例をご覧いただきます。
取り扱う商品やECサイトの特性によって、アイテムとSKUのどちらを検索結果として表示するかは変わってきます。ここでは、アイテム単位とSKU単位のメリットを商品検索に活用して、自社のECサイトに合った商品露出を実践している企業様の事例をご紹介します。
エノテカ様(ワイン通販 エノテカ・オンライン)
エノテカ様のオンラインショップでは、ワインという取扱商品の特性上、商品のマスター情報が特殊で、親商品(銘柄)と子商品(ヴィンテージ)というような構え方になっています。
検索結果では、アイテムである銘柄を検索結果に表示し、ヴィンテージのSKUをグルーピングして同じ検索結果ページ内に表示することで、「この銘柄で、何年のワインが買えるのか?」とワインを探すお客様の行動に合わせた検索を提供しています。
テシード様(輸入壁紙 テシードWebサイト)
輸入壁紙を紹介するテシード様のサイトでは壁紙というデザイン性の高い商材の露出を生かせるSKU単位で検索結果を表示しています。カラーバリエーションによって全く雰囲気の異なる壁紙を一覧しながらお客様が好みの商品を探せる検索結果となっています。
さらに、品目、在庫場所、色、柄、スタイル、価格、ブランドなどの他項目の絞り込みを備えることで商品を探しやすくしています。
株式会社ハニーズホールディングス様(Honeys公式通販サイト)
ファッションアイテムを取り扱うハニーズ様では、アイテム単位で検索結果を表示するほか、商品画像のマウスオーバー時にカラーバリエーションをポップアップで表示する使いやすい画面仕様になっています。さらに、ブランドやカラーバリエーション、サイズなどの多項目の絞り込みなど詳細な検索が行える機能を提供しています。
株式会社プチバトージャパン様(プチバトーオンラインブティック)
フランスのファッションブランド、プチバトージャパン様では、商品検索の結果ページに「全カラー表示」のON/OFF機能を備えています。ここをタップすることで、SKU単位の検索結果をアイテム単位の表示に切り替えることができます。
このように、商品検索ではアイテムとSKUを使って検索結果を様々に表示することができます。商品の持つ情報の特性やユーザの購買行動に合わせたECサイトの検索結果表示は、店舗に例えると接客による商品提案のような役割を持っています。
ユーザの「検索キーワードの入力」や「商品の絞り込み」という購買行動に対して、店舗であればどのような商品を提案するか、注力したい商品がこれで、どのように商品を見せたい、というような様々な要件によって検索結果の出し方は変わってきます。
ビジネスサーチテクノロジでは、商品検索の提供を通じて培ってきたノウハウで皆様のEC改善をサポートします。商品検索についてのご相談や改善提案のご希望がございましたら、まずは一度ご相談ください。