「ECサイトを改善したい…」
「運営しているECサイトに課題が多い…」
上記のような悩みを感じていても、具体的に何から始めれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか?
本記事ではECサイトの改善について、対策しておきたい施策を実際の成功事例を交えて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
ECサイトは公開して終わりではなく、常にPDCAサイクルを回し続ける必要があります。PDCAサイクルとは以下の頭文字を取った言葉です。
◾️|Plan(計画):目標設定や課題の分析を行い、改善計画を立案。
◾️|Do(実行) :計画に基づき改善策を実行。
◾️|Check(評価):実行結果を評価し、目標に対しての達成状況を確認。
◾️|Action(改善):評価結果に基づき、再度計画を見直し改善。
PDCAサイクルを回すことで、問題を特定し、解決策を見つけ、実施し、その結果を評価することができますが、PDCAサイクルを回した後に、施策実施後のチェックやさらなるアクションを起こすことが非常に重要です。
なぜなら、PDCAサイクルは継続的な改善を促すためのサイクルであり、一度改善したとしても問題は完全に解決するわけではないからです。ここから、ECサイトを改善する手順を紹介していきます。
ECサイトを改善する手順は、前述したPDCAサイクルの通りです。
それぞれの行程を詳しく確認していきましょう。
まず、改善施策を打ち出すために、ECサイトの課題把握は欠かせません。ECサイトの「何が課題なのか」、「どこのページに問題があるのか」を特定しましょう。
課題把握に必要となる要素は、ユーザのクリック率や離脱率といったデータ、さらには実際に購入に至ったかどうかのCVRなどを分析する必要があります。それらのデータを分析していくことで、ECサイトの問題点、課題点が浮き彫りになってくるでしょう。
分析無くして課題の把握もできませんので、もし分析方法や指標について詳しく知りたいと思った場合は、以下の記事が参考になりますのでご覧ください。
≫≫ ECサイト分析で重要な3つの指標とは?分析の方法からツールまでを紹介
ECサイトの分析によって課題、問題点を明確に把握することができました。次は「どうすればこの課題、問題を解決できるのか」を検討します。
例えば、売上を改善したい場合は、目標としている売上と現在の売上ではどのくらいのギャップがあるのかを把握することで、「売上を30%伸長させる」や「申込件数を10件増やす」といった明確な数値が出せます。
ほかに、サイトへの流入数が少ないといった課題では、「Web広告を出す」や「SEO施策で上位表示を狙う」ことで30%増やすなどの改善目標を立てることができます。
現時点で取得できているECサイトのデータを分析し、目標となる数値とのギャップを把握したうえで、改善目標を決めて計画を立てていきましょう。
上記の行程で明確な改善目標、数値が出せたはずです。
次は、目標、数値にたどり着くための、改善施策を実行していきます。
例えば、「売上を30%伸長させる」という目標を達成するためには、以下のような改善施策があります。
◾️|トレンドを意識した商品を充実させる
◾️|売れ筋商品をトップページに表示する
◾️|アクセス数が多い時間帯にセールを実施する
このようにいくつか出てきた改善施策を、実直に実行していきます。
もちろん、商品の見つけやすさ、購入までの導線、購入時の安心感はしっかり押さえていることが大前提のため、対応できていない場合は基本的な内容から見直しましょう。
ここまでの段階で数値分析により課題を把握し、改善目標を立て、改善施策を計画・実行してきました。
改善施策を実行することで満足してしまうかもしれませんが、PDCAサイクルにおいて最も重要なポイントはこの「効果測定」です。実行した改善施策によってどれだけ効果があったのかを分析する必要があります。
計画が適切でなかった場合、当然ながら結果も伴っていないはずです。このような場合には再度課題の把握に立ち戻り、計画・実行を再度繰り返さなければいけません。成果が出た場合でも、結果を分析することで新たな課題、修正すべきポイントが見つかるかもしれません。
このようにPDCAを回し続けることで、より良いECサイトへと改善できるのです。
この章では、実際に改善施策を実施したことで、ECサイトの改善に成功した事例をご紹介します。
以下の改善ポイントに分けて解説していきますので、それぞれ確認していきましょう。
ECサイトにおける購入導線は、ユーザの目的の商品に導くことや、サイト内を離脱することなく閲覧してもらうために必要です。
実店舗に言い換えると商品棚がわかりやすくカテゴリごとに整理された売り場と同じです。目的のページへすぐにアクセスができるECサイトは、ユーザビリティが高くCVRが高い傾向にあります。まずは購入導線を見直してみましょう。
購入導線を見直すことで売上が向上した事例として、イギリスのコスメブランドである「ザボディショップ」があげられます。購入導線の見直しを行う以前は、サイト内検索のキーワードが前方一致でしかヒットしなかったため、お客様に適切な検索結果を表示させることができていないという課題がありました。
そこで、サイト内検索の結果を部分一致で表示させ、商品情報を比較表示できるように購入導線を整えたことで、前年対比で検索経由のCVRが約10倍に改善しました。改善ポイントを画像付きで確認したい場合は、以下のリンクからご確認ください。
UX(User Experience)は、日本語では「顧客体験」と訳されます。売上を向上させるためにもユーザが満足できる体験をECサイト上で提供する必要があります。前述した購入導線を見直すことにも共通しますが、直感的に分かりやすく、目的のページへすぐにアクセスできるECサイトはUXが充実しています。
「株式会社ラブ・ラボ」のECサイトでは、サイト内検索の精度向上により検索結果の0件ヒット(該当なし)の割合を、27.7%から1.1%にまで改善させました。これによりUXが改善され、購入機会損失の防止にもつながっています。
≫≫ 株式会社ラブ・ラボ様
ECサイトにおけるナビゲーションとは、ユーザを目的のページへと誘導させる役割があります。ECサイトを訪れるユーザが商品検索を行い、目的の商品が見つからない場合は80%以上が離脱していると報告されています。
そのため、ナビゲーションを強化させることで、30%の売上向上が見込める可能性があります。
「株式会社ムラサキスポーツ」のECサイトでは、検索キーワード揺れや入力ミスを最小限に抑えるために、画像付きサジェスト機能を導入しています。
画像付きサジェスト機能とは、検索窓に入力されたキーワードに関連する商品やカテゴリの画像が表示され、視覚的に求めている商品を把握することができる機能です。画像付きのサジェストによって、入力時の手間や入力ミスを防止し、商品ページにたどり着きやすくすることに成功しています。
取り扱う商品数が多くなるほどページ数が増えるため、ユーザが目的の商品を探すことは困難になります。そのためコンテンツの整理は重要です。
例えば、同じ商品でもサイズ違いや色違いによってアイテム数が多くなるアパレルサイトにおいては、サイズや色などのSKU単位別や、アウターやインナー、コートといったコンテンツ別に整理します。そうすることで、商品数が多くなったとしても目的のページにアクセスしやすくなるため、結果的にUXとの向上につながります。
「株式会社ハニーズホールディングス」のECサイトでは、商品の絞り込み機能が少ないことで、ユーザが目的の商品にすぐにたどり着けないという課題を持っていました。そこで、多項目の絞り込みが可能な検索を実装することで、サイト内検索経由のCVRが70%増加しています。
このように、コンテンツの整理がUXの向上に直結するため、多くの品目を扱っているECサイトではコンテンツの整理を重視し改善施策を実施しましょう。
≫≫ SKUとは?SKU単位の数え方や意味を活用事例も用いて解説
解説してきたECサイトの4つの改善ポイントを実施することで、CVRは増加し、結果的に売上向上につながります。ECサイトの売上改善を目的とするのであれば、課題に合わせた対策を行いましょう。
自社ECサイトの課題を明確にし、具体的な改善目標が決まった段階で、「購入導線の見直し」「UX改善」「ナビゲーションの強化」「コンテンツの整理」が必要である場合は、サイト内検索の最適化をおすすめします。
現在では多くのECサイトがサイト内検索ツールを導入していますが、必ずしも以下のような機能を持つ「最適化された」ツールを導入しているECサイトばかりではありません。
◾️|商品比較機能
◾️|表記ゆれ対策
◾️|閲覧商品の履歴表示
◾️|キーワード入力の補助
◾️|絞り込み後の商品数を表示
◾️|カテゴリ別に商品を絞り込む
サイト内検索の最適化によって、すぐに適切なページへのアクセスが可能になるうえ、商品の比較検討や検索の履歴が確認できるなど、充実した機能を備えることができます。
ECサイト全体の改善、さらには売上向上を目指すのであれば、サイト内検索の最適化をおすすめします。
≫≫ サイト内検索とは?3つのやり方・導入方法から活用事例までを解説
ECサイトの改善について、改善手順と実際の成功事例を紹介しました。
PDCAサイクルを回すことで、自社ECサイトの目的に適した施策を実践していくことができます。売上改善を目的とする場合には、サイト内検索による「購入導線の見直し」「UX改善」「ナビゲーションの強化」「コンテンツの整理」が有効です。
本記事の内容を参考に、自社ECサイト改善につなげていただければ幸いです。