ECサイトを運営したいと考える担当者にとって、ECサイト構築のための補助金制度は気になるところでしょう。補助金を活用することで、ECサイトの構築費用を抑えることができます。
その一方で、次のような悩みを抱えるEC担当者も少なくないでしょう。
「補助金の種類がわからない」
「ECサイトの構築費用をおさえたい」
「手続きの手順を教えて欲しい」
「補助金を受けるにあたって注意点はある?」
この記事は、2024年最新の補助金制度について、補助金の基本的な内容から、申請方法や注意点など活用のポイントを解説します。ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてください。
はじめに、2024年最新のECサイトの補助金を紹介します。ECサイトの補助金は主に以下の5つです。
事業構築補助金とは、中小企業が新規事業に参入する際に利用した必要経費の一部を補助する制度です。
ITを活用した事業転換や、事業再構築の一環としてECサイト構築をする場合に適用されます。(※販路拡大が目的の場合は承認されません)
補助金は最大1億円と高めで、対象は国内の中小企業と中堅企業に限定されています。申請要件は次の3つです。
◾️|売上が減少していること
◾️|事業の再構築に取り組むこと
◾️|認定経営革新等支援機関と事業計画を策定していること
また、補助金枠は以下のようになっています。
◾️|通常枠
◾️|大規模賃金引き上げ枠
◾️|回復再生応援枠
◾️|最低賃金枠
◾️|グリーン成長枠
IT補助金2023とは、「サービス等生産性向上IT導入支援事業」のことです。生産性の向上に取り組む中小企業や小規模事業者を対象としています。
事業内容としては、ITツールの導入費用の一部を補助金として国が負担してくれる制度です。
補助金は最大で450万円までが補助され、申請枠は次の4つがあります。
申請は枠ごとに1回までで、補助金の交付は申請から1か月半〜数か月かかります。
補助金の対象費用は以下の7項目です。
IT補助金2023の対象業種は中小企業/小規模事業者で幅広く認可されています。
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の生産性の向上や販路拡大を支援するための補助金です。
そもそも小規模事業者の定義とは、製造や建設、運輸業などの場合は従業員が20名以下、卸売や小売りなどの商業や飲食・販売などのサービス業(宿泊・娯楽業は20名以下)の場合には5名以下を小規模事業者と定義しています。
補助金の対象になる費用として次のようなものがあげられます。
◾️|広報費(チラシやパンフレット作成/広告掲載/店舗の改装など)
◾️|Webサイト関連費用(ECサイトの構築や改修など)
小規模事業者持続化補助金でのECサイト関連の補助金は、広報費などの補助金の1/4が上限となっています。そのため、通常枠の上限が50万円だった場合、約12万円ほどの補助金となります。
ものづくり補助金とは、主に中小企業や小規模事業者などが活用できる制度です。新しい商品やサービスの開発に必要な費用を補うための補助金です。
たとえば、食べられる器を開発した場合、補助金を申請して専用の器を製造できる機械を購入する費用にあてることができます。補助金を受けるための要件は3つです。
申請枠の種類は以下があげられます。
一般型
◾️|通常枠
◾️|回復賃上げ・雇用拡大枠
◾️|デジタル枠
◾️|グリーン枠
グローバル展開型
◾️|①類型:海外直接投資
◾️|②類型:海外市場開拓
◾️|③類型:インバウンド市場開拓
◾️|④類型:海外事業との経堂事業
補助金は各自治体でも提供しています。地域ごとの特産品販売の支援や地域ブランドのための補助金なども存在しますが、地域により内容は異なります。条件も自治体により異なるため、行政サイトで確認してみてください。
自治体の補助金を活用することで、地域企業の活性化や地方特産品などを活かしたECサイトの運営が可能です。
この章では、ECサイト構築におけるIT導入補助金の申請手続きについて解説します。
ECサイトを構築するにあたっては幅広いITツールがこのIT導入補助金の対象となっています。なかでもおすすめのツールは「サイト内検索」です。
サイト内検索とは、ユーザが訪問したサイト内で欲しい商品を効率的に探すための検索機能です。成果を出しているECサイトのほとんどがサイト内検索を導入しており、ECサイトにとって欠かせないツールです。
サイト内検索ツール導入によってECサイトの検索を最適化する費用を補助金で補えるとよいでしょう。サイト内検索の最適化について知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
≫≫ サイト内検索とは?3つのやり方・導入方法から活用事例までを解説
≫≫【2024年最新】サイト内検索ツールおすすめ10選を徹底比較!成功事例から学ぶ選び方
申請にあたって、まずIT導入支援事業者とITツールの選定を行います。IT導入支援事業者とは、補助金を申請する企業のサポートを行うビジネスパートナーで、IT製品を販売する企業であるITベンダーやITツールの販売代理店のことです。
先程紹介したサイト内検索ツールの販売を行っている会社などもこれにあたります。
次に導入するITツールの選定です。ITツールの選定は、IT導入支援事業者の取り扱う製品やサービスから選択するとよいでしょう。
gBizIDプライムアカウントとは、補助金の申請などに必要となる法人代表者または個人事業主の認証システム用のアカウントです。さまざまな行政サービスを受けるために必要なアカウントなので必ず取得しておきましょう。
gBizIDプライムアカウント取得には書類審査が必要です。
また、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度「IPA(独立行政法人情報処理推進機構)」の”SECURITY ACTION”も必要です
さらに、経営チェックを受けることも条件となります。中小企業庁が実施している中小〜小規模事業者への経営課題の解決サポート制度「みらデジ」を使ってチェックを受けます。
次に、申請マイページから以下の流れで交付申請を行います。
補助金事務局から交付決定の通知を受領した後に、ITツールを導入します。注意すべき点は、交付決定前にITツールの発注や契約、導入、支払を行わないことです。交付前に行った場合、補助金の交付決定が無効になります。
ITツールの導入と支払いが完了した後は、証明書類の提出と、実績報告が必要です。
◾️|ITツールの発注・契約・納品・支払いなどを証明する証憑を申請マイページから提出
◾️|「事業実績報告書」をIT導入支援事業者と作成し事務局へ報告
◾️|補助金事務局による審査
報告完了後に、補助金額が確定されます。申請マイページで金額を確認し、補助金の交付を受けましょう。
補助金交付後は、導入したITツールの成果報告を提出します。成果報告内容はIT導入支援事業者が確認した後に提出します。
申請できる補助金制度ですが、全てのECサイトで適用されるわけではありません。これから紹介する注意点を理解して上手に補助金を活用していきましょう。
補助金は審査が終わってもすぐには交付されません。また、申請した審査が全て通過するわけではないことを理解しておきましょう。IT導入補助金2023の公式サイトのデータからみると、採択率は通常枠で約45%以上、セキュリティ対策推進枠では約95%以上、デジタル化基盤導入枠では約55%以上となっています。
また交付までの期間は1か月半〜数か月かかる場合もあります。手続きや審査状況によっても変動するため、事前の導入計画や予算編成が必要です。
ITツールは補助金の交付決定通知が届いた後に導入しましょう。補助金を交付決定前に導入してしまうと、補助金の対象外となってしまうため補助金が交付されません。
ITツールの導入タイミングは正しい順序で行いましょう。
IT導入補助金はあくまでも新規事業のECサイト構築や改修が対象となります。そのため、サイトのリニューアルでは補助金の対象にはなりませんので注意しましょう。
今回の記事では、ECサイト構築のための補助金制度の紹介をしました。補助金の申請には、IT導入支援事業者と導入ITツールの選定が必要です。
この記事ではECサイトの成果に直結するツールとして「サイト内検索」導入による検索の最適化をおすすめしてきました。サイト内検索を経由することでCVR(コンバージョン)や直帰率を改善することができます。
「GENIEE SEARCH for EC」はさまざまな企業様のECサイトに導入いただいていますが、ここでは成功事例のひとつとして「株式会社 ラコステ ジャパン」様の事例を紹介します。
衣料品や衣料雑貨の企画から製造、販売や輸入業を行っているラコステ ジャパン様では、「ラコステ」「エーグル」2ブランドの公式ECサイトにサイト検索ツール「GENIEE SEARCH for EC」を導入しています。
選定ポイントは、機能の拡張性の高さと導入スピードの速さです。ECサイトへの導入により、サイト内検索ユーザの直帰率が83%の改善、またCVR率が2.8%も向上しました。
これからECサイトの構築を検討している企業担当者様は、ぜひ一度サイト内検索の最適化ツール「GENIEE SEARCH for EC」の導入をご検討ください。
サイト内検索の最適化についてもう少し詳しく知りたい方へ向けて、おすすめ記事を下記にまとめました。ぜひご覧頂き、弊社へ気軽にお問い合わせ下さい。
GENIEE SEARCH編集部
(X:@BST_hoshiko)
ECサイトや企業サイトにおける快適なユーザ体験を実現するための導線改善方法から、ECマーケティングの手法まで幅広く情報を発信しています。