Webサイト担当者にとってリニューアルは必ず経験する仕事のひとつではないでしょうか?運営にあたり、リニューアルを検討するタイミングとして以下が挙げられます。
検討に入るタイミングはそれぞれですが、そもそも成果がでるWebサイト改修のポイントを押さえている人は少ないのではないでしょうか?
リニューアルにはある程度の専門知識と「集客」を目的としたマーケティング力が必要です。さらには、制作会社に委託する場合の提案依頼書や事前のアカウント情報の整理など、細かなタスクも必要です。
この記事は、サイトリニューアルで成果を出したいWeb担当者向けの内容になっています。ぜひ最後までご覧いただき、Webサイトリニューアルの参考にしていただければ幸いです。
Webサイトリニューアルとは「新しく作りかえる」ことです。担当者は、そもそも何を目的にWebサイトをリニューアルするのかを決めておく必要があります。
基本的にWebサイトのリニューアルでは、ユーザの利便性を上げたり、自社のブランドイメージを向上させたりすることを目的に、デザインやコンテンツ、サイト構成の刷新をおこないます。
企業によってWebサイトリニューアルの目的は異なります。プロジェクトを開始する前に自社の目的を明確にし、最適な手法で的確なプロセスをふんでいくことが大切です。
ここでは、Webサイトリニューアルが検討されるタイミングをご紹介します。
一つめがシステムの老朽化によるセキュリティの不安です。
保守の停止や契約切れ、システムサポートの打ち切りがあった際に放置していると起こる問題です。古いシステムを使い続けた場合、ユーザの利便性を損ねたり、セキュリティ侵害のおそれがでてきます。
ITの世界は変動が激しく、現在提供されているサービスも1年後に古いシステムとなることも珍しくはありません。セキュリティに関しても同様で、年々高度化しているサイバー攻撃にシステムが対応できない場合、顧客情報の漏洩などのリスクが増大します。
Webサイトリニューアルは、システムの老朽化を改善する良いタイミングです。
Webサイトの構成が古い場合も、Webサイトをリニューアルするタイミングです。
コンテンツを整理せずに追加し続けていると、Webサイトに設置しているリンクや階層が多くなってしまい、Webサイトの構成が複雑になることが考えられ、ユーザは情報が探しづらく早期離脱につながります。
Webサイトの構成を新しくしていく中で、スマートフォンやタブレットでも情報を探しやすくすることが求められます。
具体的には、レスポンシブデザインの実装です。Webサイトを、ユーザが利用するデバイスに合わせて表示することができるデザインのことを指します。
総務省の調査では、インターネットを利用する世帯の8割以上がスマートフォンを保有しており、データ参照元ページの「(2)インターネットの利用状況」では、6割以上がスマートフォン経由でインターネットを閲覧していると公表しています。
これは数年前まで主流であったパソコンでのインターネット閲覧からスマートフォンに変わったということを表しています。そのため、Webサイトをどんなデバイスで閲覧してもユーザの利便性を下げないようにするレスポンシブデザインが求められます。
また、SEO対策でもレスポンシブデザインは重要な役割を果たします。Googleは2015年からレスポンシブデザインを推奨し、モバイルフレンドリーがランキングの判断基準として盛り込まれています。
Googleではレスポンシブデザインを以下のように定義しています。
レスポンシブ ウェブ デザイン(RWD)は、サーバーからどのデバイスに対しても常に同じ HTML コードを配信し、CSS を使用して各デバイスでのページのレンダリングを変える設定方法です。
引用元:モバイルサイトとモバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法
2015年以前にWebサイトを構築してWebサイトの構成やデザインの見直しをしていないWebサイトはリニューアルを検討しましょう。
リブランディングとは、自社のイメージを時代に合わせて一新していくことです。
会社の社名変更や企業方針または方向性が変わったタイミングなどにリニューアルを検討します。
また、その場合は会社のイメージにあったデザインで統一していく必要があります。Webサイトだけではなく社章やパンフレットなどの配布物、名刺などのデザインも一緒に変えていきましょう。
Webサイトは、顧客や潜在的な見込み客はもちろん、あらゆるステークホルダーへの的確な情報提供と自社との円滑なコミュニケーションをするための重要な役割を持っています。
刷新するタイミングは主にWebサイトの役割が変わるときです。具体的には、会社紹介を中心に行なっていたWebサイトを採用にもフォーカスした構成にリニューアルしたり、製品・サービスの認知向上や売上アップを目指しページ構成をつくり変えたりするときです。
Webサイトリニューアルでは、周りからの期待役割が変わってきたタイミングでリニューアルしたり、自社の狙いにあった情報発信を行うこともできます。
Webサイトリニューアルの費用や期間は、プロジェクトの範囲や複雑さの度合いによって異なります。一部のコンテンツの更新やちょっとしたデザインの変更といった簡単なものから、新しいWebサイトを開発するような複雑な内容まで多岐にわたります。
小規模サイトなら50万~100万円、大幅な機能・デザイン刷新になれば200万〜1,000万円以上となります。
Webサイトをリニューアルする場合は、目的を定め、その目的が達成される機能はどのようなものかを明確にすることで、おおよその費用を把握することができます。まずは、目的にあわせてどのような機能が必要なのかを要件定義しましょう。
コーポレートサイトとECサイトリニューアルにかかるおおよその費用については以下の記事でまとめていますので参考にしてください。
≫≫ ECサイトのリニューアル費用や手順を押さえて失敗しないための方法を解説
≫≫ コーポレートサイトのリニューアルの制作費用から進め方まで解説
次にWebサイトリニューアルにかかる期間も見ていきます。
Webサイトの作成期間は基本的に25ページ程度で平均3~4ヶ月と見ておくとよいでしょう。
こちらも費用と同じく、どのくらいの規模でリニューアルをするのかによって期間が変わります。事前に委託会社へ確認しておくとよいでしょう。
何度も記述していますが、Webサイトのリニューアルで一番重要なことは「目的を明確にすること」です。Webサイトの目的を明確にすることで何をどのように変更したらよいかが具体的になります。
ここでは、サイトリニューアルで必要な8つの手順をご紹介します。
最初のステップは、ベンチマークしているWebサイトとの位置づけを明確にすることです。
スタイルやデザインを比較し、改善の余地があるかを判断します。
また、ターゲットとなる読者層を明確にすることで、どのように変更するべきか方向性が見えてきます。
2つ目のステップは要件定義です。
Webサイトの目的、ユーザ体験、コンテンツ、目標とするコンバージョン数などを検討します。これは、リニューアルの計画を立てる際に有効な情報となります。
3つ目のステップは、サイトマップの作成です。
サイトマップは、ナビゲーション経路やページ間の関係を明らかにするのに役立ちます。これにより最適な構造を明確にし、主要なページとその相互関係の概要を把握できます。
4つ目のステップは、ページごとの構成とデザインを決定することです。
目的がコンバージョンを増やすことであれば、おしゃれなデザインではなくコンバージョンに貢献する最適なデザインにすることが重要です。主にレイアウト、グラフィック、画像、テキスト、動画などのデザイン要素が含まれます。
また、コンバージョンに影響する機能としては、サイト内検索があげられます。サイト内検索は、サイトに訪れたユーザがすぐに目的の製品・サービスページにアクセスできるためユーザの利便性を高める機能の一つです。ページ構成やデザインの最適化とあわせて利用することで、Webサイトのコンバージョン向上が可能です。
サイト内検索がコンバージョンに影響することについては以下の記事でまとめていますので、参考にしてください。
≫≫ ECサイトのCVRが改善する5つの施策とサイト内検索の最適化
5つ目のステップでは必要な素材を揃えます。
デザイン、コンテンツ、画像など、更新や作成が必要な情報をすべて収集することも含まれます。注意点として素材の用意が遅れるとサイトリニューアル自体も遅れるため、はやめに素材を揃えておくことが大切です。
6つ目のステップはWeb制作会社の選定です。
Web制作会社を選ぶ際には、コスト、納期、技術力などの要素を考慮することが大切です。さらに、その会社の口コミや評判を調べておきましょう。
選定する際は必ず相見積もりを取ることがポイントです。
Web制作会社を選定できたら、6つのステップで準備してきたことをWeb制作会社に共有してリニューアルを実施していきます。
Webサイトの更新を自社で行うことが想定される場合は、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の導入を検討しましょう。CMSとは、Webサイトを構成しているHTMLやCSSなどの言語の知識がなくても、テキストや画像ファイルを入力するだけで、サイトの情報を編集・追加できるソフトウェアです。代表例として、Word Pressがあげられます。
コンテンツの新規作成や更新が容易になるので、自社Webサイトの更新が想定される場合はCMSを導入しましょう。
7つ目のステップはステップ6と並行して、リニューアル後の運用方針も決めておきます。
運用後の方針は会社によって変わりますが、リニューアル後にページを更新する際に、社内で誰に依頼した方がよいのかを明確にするため、メインの運営担当と事業部ごとの担当者を決めておきましょう。
最後にプレスリリースで告知することもおすすめです。
記事に取り上げられることで、新規顧客の流入や認知度が上がる効果が期待できます。もし、自社のSNSアカウントがある場合は、SNSも有効活用しWebサイトリニューアルの告知を行いましょう。
ここではWebサイトリニューアルに失敗しないためのポイントを3つを紹介します。
リニューアルのメリットはデザインの刷新やユーザビリティの向上による顧客の流入、人材採用、売上アップなどさまざまな効果が見込めることです。
しかし目的が不明確のままWebサイトをリニューアルをすると、採用強化や売上向上という効果を得られず、時間とお金だけが無駄になってしまいます。そのため、目的は明確に定めておきましょう。
サイトの目的がおしゃれなデザインに仕上げるだけなら問題ないのですが、問い合わせなどのコンバージョンを増やすという目的であれば、目的を達成するための導線が考慮されたデザインにすることが重要です。
Webサイトリニューアルは相応の費用が発生します。そのため、担当者目線だけではなく顧客や見込み客、経営陣や現場社員などのステークホルダーの視点も考慮し費用対効果の高いリニューアルを行うことが大切です。
どんなユーザでも内容を閲覧したいと思わせるデザインが成果につながります。
Webサイトリニューアルは主に主要となる担当者が責任を持って行います。しかし、一個人の目的やイメージでは成果は出せないでしょう。
顧客・現場・経営の3つの視点を取り入れ、明確な目的にもとづいてWebサイトリニューアルを行うことで成果につながるWebサイトがつくれます。
この記事を参考にまずは、Webサイトリニューアルの目的を明確にすることから始めてみてはいかがでしょう。自社の一番の情報発信メディアとして戦略的に改善をしていきましょう。
GENIEE SEARCH編集部
(X:@BST_hoshiko)
ECサイトや企業サイトにおける快適なユーザ体験を実現するための導線改善方法から、ECマーケティングの手法まで幅広く情報を発信しています。