ECサイトの運営において、売上を伸ばすということは最も重要なポイントです。
しかしながら思うように数字が伸ばせず、頭を悩ませている事業者は少なくないでしょう。
本記事では、そんなECサイトの売上向上について、3つの改善すべき指標をお伝えした後、実際に売上を伸長させた事例について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
2020年に新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛となり、その影響からECサイトの利用が急増しました。米Amazonが公表した「年次報告書」によると、アマゾン日本事業では2020年の売上高は前年比30%以上増加しています。また、スーパーマーケットチェーンやドラッグストアチェーンなどの実店舗を持つ企業もECサイトの売上高が大幅に伸びました。
2021年に入り、緊急事態宣言が解除されるなどの影響から、一部のECサイトでは前年と比較し売上高の伸びが鈍化する傾向が見られましたが、ECサイトの利用は引き続き高い水準を維持しています。
それでは2022年度における国内のECモールの売上ランキングトップ10を確認してみましょう。
順位 | 会社名 | 売上高(億円) | ジャンル |
1位 | アマゾン(日本事業) | 25,378 | 総合 |
2位 | 楽天グループ | 10,033 | 化粧品・日用品 |
3位 | Zホールディングス | 8,091 | 文具・日用品・アパレル |
4位 | MonotaRO | 1,897 | 工具 |
5位 | 大塚商会 | 1,627 | 文具 |
6位 | メルカリ | 1,470 | 総合 |
7位 | ファーストリテイリング | 1,269 | アパレル |
8位 | オイシックス・ラ・大地 | 1,134 | 食品 |
9位 | アダストリア | 574 | アパレル |
10位 | ファンケル | 529 | 化粧品 |
※引用元:【2022年版】EC・ネット通販売上高ランキングTOP37発表!
ECサイトの売上を伸ばすためには、集客も重要なポイントですが、ユーザがスムーズに商品を選択し、購入手続きを行えるECサイトにすることが重要です。
なぜなら、どれだけアクセスが取れたとしても、ユーザビリティが低いサイトだとすぐに離脱される可能性があるからです。
ECサイトにとって、購入導線の整備は重要なポイントです。この章では、ECサイトの売上を伸ばすために確認すべき以下の指標についてそれぞれ解説していきます。
ECサイトではユーザのアクセスが無ければ売上の発生も期待できません。そのため、ECサイトへのアクセス数の増加は必須の改善指標です。
まずは、自社ECサイトでユーザがどのようなアクションや振る舞いをしているのかアクセス解析を行いましょう。アクセス解析の指標は、主に以下の通りです。
■|PV:ECサイト上でユーザが閲覧したページの総数。
■|アクセス数:ECサイトへのアクセスした人数。※同一ユーザを複数回カウント。
■|訪問数:ECサイトに訪れた人数。※同一ユーザは1とカウント。
■|直帰率:ECサイトにアクセスした人が、1ページ目で離脱した割合。
■|平均滞在時間:ECサイトにアクセスしてから、離脱するまでの平均時間。
■|1ユーザあたりの訪問数:一定期間内に同じユーザがサイトを訪問した回数。
■|訪問数あたりのPV:1回の訪問で見られたページ数。
■|収益金額:ECサイトの商品やサービスの売上高。
■|注文数:ECサイトの注文数。
■|平均金額:ECサイトの1回の注文あたりの平均金額。
■|注文率:ECサイトにアクセスしたユーザが、商品やサービスの購入に至った割合。
■|カート追加数:ECサイトで商品をカートに追加した回数。
仮にアクセス数が多くても、訪問ユーザがアクションを起こさなければ良いECサイトとはいえません。訪問数はもちろんのこと、アクセス後の行動についても指標を確認し分析する必要があります。
≫≫ ECサイト分析で重要な3つの指標とは?分析の方法からツールまでを紹介
UXとは、日本語では「顧客体験」と訳されます。訪れたユーザをおもてなしするようなイメージでサイトを構築する必要があります。ユーザがECサイトを効率的に使いやすいUXデザインにすることで、ユーザ満足度を向上させることにあります。
例えば、注文ボタンが分かりやすく設置されていることや、探したい商品がストレス無く検索できる工夫があげられます。
ユーザは少しでもサイトデザインに違和感やストレスを感じてしまうと、すぐに離脱してしまう可能性があります。そのため、このUXデザインは徹底して確認しなければいけません。
優れたUXデザインを作り上げるためには、ユーザの離脱ポイントなどを分析することが重要です。離脱率については、以下の記事で詳しく解説していますので、本記事と合わせてぜひご覧ください。
≫≫ 離脱率を改善する具体的な方法とは?原因から対策までを解説
ECサイトの売上を改善する最も重要なポイントは、ユーザビリティの向上です。
これは前述したUXデザインとも共通しますが、ユーザがストレス無く商品を探し購入できる環境を提示することが重要です。
最も有効な対策のひとつにあげられるのが「サイト内検索の最適化」です。
サイト内検索はユーザが探す商品探しをサポートする機能です。最適化された検索ツールであれば、膨大な商品の中からユーザが求める商品を即座にピンポイントで提供可能となります。
検索、検討、購入までのスムーズな導線を確保するためにも、「サイト内検索の最適化」は必須といえるでしょう。
≫≫ ECマーケティングとは?EC担当者が見落としがちな施策を解説
この章では、ECサイトにおいてサイト内検索を最適化した結果、検索経由の売上向上に成功した以下の事例を紹介します。
ビジネスバッグなどを取り扱うエース オンラインストアでは、ユーザが探している商品ページにたどり着けていないという課題を抱えていました。
対策として、サイト内検索を最適化したところ、商品検索を利用するユーザが10〜20倍に増加しました。結果として検索後のCVRは約8倍にまで向上しました。
エースオンラインストアでは商品検索に絞り込み機能や、ユーザが想定する商品候補を表示する機能などを追加し、スピーディで快適な購入導線を実現しています。
ベビーやキッズ、大人向けの服飾品を取り扱うプチバトーオンラインブティックでは、サイトの検索導線が弱く、訪問ユーザに対して積極的なアプローチができていないことが課題でした。また、特有の商品名称が多く、検索時に正確な商品名を入力しなければ、求める商品が表示されない状況でした。
そこで、サイト内検索を最適化し、画像付きサジェスト機能と検索結果の商品比較機能を追加しました。結果として全てのKPIが増加し、検索経由のCVRも2倍に伸長しました。
≫≫ プチバトージャパン様「検索経由のCV率が改善、売上も大きく増加」
コンタクトレンズや補聴器などを中心にアイケア用品を扱うメガネスーパー公式通販サイトでは、同じ商品をリピート購入することの多い商品特性から購入時の煩わしさを取り払いたいと考えていました。
そこで、ユーザがいつも購入する商品をアクセス時に提示できるように、サイト内検索を最適化する対策を実施しました。
結果として、サイト全体と検索経由でのCVRを比較した際、検索経由は約2.4倍となりました。PVに関しては、検索を利用するユーザが高く、検索機能によってさまざまな商品が比較検討されることでサイト回遊にもつながっています。
≫≫ メガネスーパー様「ストレスのない購買動線で購入率2.4倍」
ECサイトはユーザとの直接の接点を作れないため、実店舗のように手厚い接客が難しくなります。その分、改善指標を細かく確認しながら、UXデザインやユーザビリティの向上に努める必要があります。
なかでも効果的な対策として、やはりサイト内検索の最適化があげられます。
ストレス無く即座に目的の商品へアクセスできる機能は、CVRの向上にも大きくつながるでしょう。
ECサイトの売上向上のために、まずはサイト内検索の最適化を検討してみてはいかがでしょうか。