サイト内検索ブログ

行政 DX のトップランナーへ──南九州市が「AI検索」 「AIごみ分別」を導入 ~小規模自治体でも実現できたDX推進の裏側~


南九州市役所(鹿児島県)
企画課 DX 推進係 志々目 武 氏
企画課移住定住促進係 江平 裕磨 氏

自治体名:南九州市役所
導入サービス:GENIEE AI SEARCHAIごみ分別機能
導入先Webサイト:南九州市公式サイト/南九州市公式LINEアカウント

導入の主な効果

・GENIEE AI SEARCH導入後、サイト内検索経由のメール・電話問い合わせが約50%減
・AIごみ分別公開後1か月で、市民生活課への電話件数が減少
・公式サイトの「検索結果ページ」がアクセスランキングで常時上位

▼ 実績で選ばれているサイト内検索サービス ▼

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生成AIの活用は「最重点領域」──行政 DX 全体方針のなかでの位置づけ

南九州市では、2024年度から「市民サービスの質向上」と「庁内業務の省力化」を両輪としてDXを推進しています。その一環として、生成AIを活用した、市民の利便性向上と職員の業務効率化を目指しています。今回導入した「GENIEE AI SEARCH」と「AIごみ分別機能」は、市民サービスの質向上における先駆的な取り組みです。

導入前の課題──検索は“ページ一覧”の表示だけ、ごみ分別に関する電話が1日20件

GENIEE AI SEARCH導入以前、南九州市の公式サイトでは一般的なキーワード検索を使用していました。検索結果にはヒットしたページ一覧が表示され、ユーザーは一覧から詳細ページを開き、知りたい情報を探す必要があるため、市民をはじめとするユーザーにとって、目的の情報にたどり着くまでに手間がかかるWebサイトとなっていました。
また、南九州市では2024年にごみの収集方法が変更されたことをきっかけに、ごみ分別に関する電話問い合わせが1日平均20件に増加していました。そのため、市民にごみの分別方法をわかりやすく伝える仕組みを早急に整える必要がありました。

市民への情報提供に課題がある中で、南九州市はサイト内検索時に結果を要約して回答するジーニーの検索改善ツールGENIEE AI SEARCHを導入。さらに、市民のごみ分別課題を解消するため、写真でごみの分別方法を判定するAIごみ分別機能を導入した。

サービスを選んだ決め手

GENIEE AI SEARCH を導入した理由は、情報の正確さと高い利便性です。
GENIEE AI SEARCHのサイト内情報だけで回答を生成し、正しい情報を届けられるという仕組みは、市民生活に密接に関わる公共のWebサイトにとっては欠かせません。

また、これまで使用していた検索窓がそのまま使えるため、ユーザーの利用体験を損なわない点もポイントでした。チャットボットのように専用のUIを開いたりする必要がなく、市民も職員も従来どおり検索窓にキーワードを入力するだけで、 AI が自動的に最適な回答と根拠となるページを提示してくれます。また、運用面でも会話シナリオを組んだりする必要がありません。既存の運用をそのままに、AIの利便性を上乗せできる点が大きな魅力でした。

AIごみ分別機能については、「まさに今困っている課題をストレートに解決できる」ことが採用の決め手です。導入以前は、ごみ収集方法の変更で問い合わせが急増し、ホームページでも案内を強化しましたが「結局わからない」という声が後を絶ちませんでした。そのようなタイミングでジーニーからAIごみ分別機能の提案を受け、LINE公式アカウントにURLを掲載するだけで利用できる手軽さもあり、導入を決めました。

ジーニーのサービスを選択した最大の理由は、サポートの迅速さと柔軟さです。メールを送れば基本的に当日中に回答があり、難度の高い要望にも「いつまでに対応できるか」を明確に示してくれるため、安心して任せることができました。多くのシステム導入を経験するなかでサポート体制は最も重視しているポイントですが、ジーニーの寄り添い方は群を抜いていると感じています。

導入のプロセス──補助金活用と迅速導入で実現したAIサービス先行展開

GENIEE AI SEARCHの導入にあたっては、契約前からデモの確認などを行っており、2025年7月上旬に契約を締結した後、7月中旬には本番環境への導入を始めました。国の補助金(新しい地方経済・生活環境創生交付金(デジタル実装型))を活用することで費用負担も抑えられました。GENIEE AI SEARCHは市民にメリットのあるサービスのため、補助金申請もスムーズに行うことができました。

一方、ごみ分別AIは提案の早い段階からデモを確認し、その効果を庁内にも共有していました。当初予算には計上していなかったものの、6月の補正のタイミングで予算化し、7月に契約、8月には運用を開始しています。補助金は使用していませんが、価格が想定よりも安価だったことから財政部門の承認がスムーズに得られました。

結果として、いずれのサービスも契約からわずか1〜2か月で運用を開始でき、他の自治体に先駆けたサービス提供を実現することができました。

導入時に直面した壁

補助金申請のスケジュールと関係先との調整
サービス導入の最大の難関は、国の補助金スケジュールを厳守しながら管理業者の作業日程を確保することでした。補助金申請では導入開始日を明示する必要があり、市としてはその期日を前提に工程表を立てていました。しかし、Webサイトの管理業者との連携や予算の再検討を行う中で、日程の再調整を余儀なくされました。最終的には、補助金期限と公開時期を最優先として、管理業者に作業日程の再調整を依頼し、作業工程と金額を見直しました。ジーニーを含む関係者の協力を得て、ようやく導入が完了しました。

職員の意識改革
AIの回答は、サイト内の情報から作成されるため、職員には「古い情報を残さず、常に最新かつ正確な情報を掲載する」という意識改革が求められます。サイトの情報をより精緻にしていこうと積極的に情報を収集し対応していますが、常には難しい場合もあるため、各々の意識を高めてもらうための全体周知を現在進行形で行っています。

導入後の成果──問い合わせ半減&アクセス増

GENIEE AI SEARCHを導入した結果、メールや電話での月間問い合わせは約100件から約50件に半減しました。検索結果ページはアクセスランキングで常に上位に入るようになり、市民のみなさんが有効に活用してくださっている結果だと感じています。また、職員もナレッジ検索として活用しており、「とりあえず検索窓に聞いてみよう」が市民や職員に浸透し始めています。

ごみ分別AIは、公開後1か月で市民生活課への問い合わせの電話が減少しました。LINE公式アカウントとの連携で利用が一気に拡大していますが、導入から現在までクレームはゼロです。市内で市民のみなさんと顔を合わせるたびに「あの機能は本当に便利だね」と声を掛けられるほど評判も上々です。
もっとも、現在は「AIごみ分別機能があること自体を知ってもらうための認知期間」という段階で、電話でのごみ分別に関する問い合わせもまだ残っています。南九州市では引き続きLINE公式アカウントを通したAIごみ分別機能の認知拡大を進めていきたいと思っています。

 今後の展望──“小規模自治体でもできる”を示す

現時点でGENIEE AI SEARCHとAIごみ分別機能には大変満足しています。今は “まず使ってもらうこと”が最優先課題のため、認知度を高める施策や利用シーンの創出に力を入れ、市民にも職員にも日常的に活用してもらえる環境を整えています。そのうえで、今後はユーザーから寄せられる声を吸い上げるフィードバック体制を構築し、改善サイクルを回していきたいと考えています。問い合わせ対応工数を限りなくゼロに近づけ、浮いたリソースを別の施策に振り分けられるように、AI機能の定着と効果測定を進め、必要に応じて機能拡張や連携先の追加を検討していきます。

また、両サービスはまだ全国の自治体での導入例は多くありませんが、5年後には標準的な機能になると考えています。先行導入の自治体として、さらに活用の幅を広げ成果改善に取り組んでいくことで、小さな自治体でもDXを牽引できると示していきたいですね。

ジーニーには、今後も自治体事情に寄り添うスピーディーなサポートと、生成AIの進化を取り込んだ機能アップデートを期待しています。

事例インタビュー協力:南九州市役所


南九州市について
南九州市は鹿児島県の薩摩半島南部に位置し、頴娃町(えいちょう)、知覧町(ちらんちょう)、川辺町(かわなべちょう)の3町が合併して2007年に誕生しました。自然に恵まれ、南の海岸線は美しい景観が続き、中部には基幹産業である農業を支える広大な畑地が広がっています。

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